電子帳票が気になりはじめたら、導入までに知っておくこと。
帳票電子化に失敗しない、電子帳票システムの活用方法をご紹介
電子帳票システムとは?
電子帳票システムとは、請求書や販売実績などの帳票・レポート作成から、配布まで帳票に関する業務を効率化できるシステムだ。
例えば、以下のようなことが可能になる。
- Excelで作成していた帳票が自動で作れる
- 業務システムごとに出力していた作業を一元管理できる
- 電子データで配布するため、印刷・封入作業をなくすことができる
昨今、ビジネス環境の変化に伴い帳票の電子化に注目が集まっている。
1. なぜ、電子帳票の導入が注目されているのか?
テレワークやワーケーション需要の増加
働き方改革により注目されていたテレワークは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために導入する企業が急速に増えた。一方で都心離れが進み、移住やワーケーション*といった需要も増加している。このような多様な働き方への対応は、優秀な人材の確保や生産性の向上に繋がると考え、積極的に導入する企業が増えている。
*ワーケーション:観光地やリゾート地でテレワークで働きながら休暇をとること
「e-文書法」の施行と「脱ハンコ」の流れ
2005年に「e-文書法」が施行され、これまで紙として保存してきた帳票を、スキャンした電子データで保存することが認められるようになった。さらに、政府が電子署名に関する見解として「電子的な印鑑証明にあたる電子証明書のない電子署名も法的に有効」と公表したことで電子署名化が加速。2020年には「電子帳簿保存法」の要件緩和が電子化の流れを後押ししている。
SDGsへの関心の高まり
膨大な資源が、企業間取引で利用する紙として消費されている。企業の電子化が進めばCO2の削減に繋がるが、そのためには取引先企業にも理解を求めざるを得ない。このようにSDGsに積極的に取り組む企業を中心に、環境保全活動の輪が広がっている。ペーパーレス化は環境問題への取り組みをアピールしつつ、印刷コストや郵送代、印紙代といったコスト削減にも繋がる。そのため、企業にとっても取り組みやすい活動になっている。
自然災害やテロに備えたBCP対策
近年、台風や川の氾濫といった自然災害が毎年のように発生している。その度に注目されるのはBCP(事業継続計画)であり、万一オフィスに被害があったとしても、事業を継続できる対策を取っていることが企業の信頼性にも繋がっている。電子帳票は、企業の重要なデータを守り、災害時にも事業を存続できる手段として需要が高まっている。
2. 電子帳票システム導入のメリット
様々な社会的要因があるが、企業にとって最大のメリットは業務効率化だ。
メリット1
帳票・レポートの作成が楽になる
電子帳票システムは、データソースに繋いで集計したものをレポートに反映することができる。そのため、Excelなどで集計・加工していた作業が自動化できる。つまり、データに触ることなく帳票やレポートを作成できるのだ。また、レイアウトも自由に表現できるため、自社独自のフォーマットで出力が可能だ。
参考:Excel帳票に限界を感じたら、帳票ツールを検討しよう。
メリット2
帳票・レポートの配布が楽になる
これまで紙で帳票やレポートをやり取りしていた企業は、作業コストや印刷コストを大きく削減できる。電子帳票システムは、PDFやExcelなど様々な出力形式を選んで出力できる。さらに、自動送信のスケジュールが設定できるため、印刷や封入作業は不要で人の手を介さず配布が可能になる。メールの宛先を間違えたり、誤った帳票を挿入するといった人的ミスも防ぐことができるのだ。
メリット3
災害での消失や盗難のリスク回避
紙での帳票・レポート保管の場合、災害で消失したり盗難にあったりというリスクは避けられない。電子帳票システムは、サーバー内のデータがあれば復元できる。さらに、閲覧権限も細かく設定できるため、ユーザーごとに閲覧範囲や印刷制限などを定めておけば安全性も確保できる。
3. 帳票システムの導入にあたり確認しておくポイント
では、帳票システムはどのように選べば良いのだろうか。確認すべきポイントはとてもシンプルだ。
以下の5点を整理すれば、自社の要件を満たすツールを選択でき、帳票電子化がスムーズに進むだろう。
- いつ
- 誰が
- どのようなデザインで
- どんな中身を
- 何で(どの装置で)出力するか
ポイント1. いつ
帳票・レポートが必要となるタイミングはいつか?
- 始業時間に作業指示レポートを確認したい
- 閉店後の決まった時間に当日の売上レポートを確認したい
- 業務時間中は随時、最新の情報を確認したい
- 特定の曜日のみ、特定のレポートを特定の時間に用意したい
など、企業の運用ごとに出力シーンが異なるはずだ。運用に合うタイミングで出力できるのか確認しよう。
ポイント2. 誰が
誰が(何人が)どこで見るのか?
- 閲覧環境が屋内(社内)なのか、屋外(社外)なのか
- 閲覧する人の人数はどのくらいなのか
- 見る人の役職に応じて、デザインが同じでも、データを変える必要があるのか
- 部署によって、見るものが違うのか、見せても良いのか、見せてはいけないのか
- 取引先の担当者まで、見せれるようにするか
など、様々なシーンを想定して権限の設定範囲やライセンス費用を確認する必要がある。
ポイント3. どのようなデザインで
出力イメージ(表・図形・画像・紙)はどんな表現か?
- エクセルで作成するような表形式
- グラフを取り入れたレポート
- 宅配便で利用するような複写式帳票
- バーコードを多用した入出庫伝票
- 証券レポートのような、複数情報のレポート
- 住民票のように透かしの入った印刷物
など、自社のフォーマットが再現可能かを確認しよう。
ポイント4. どのような中身で
利用するデータソースは何か?
- CSV
- Access
- DB
- プログラム結果
など、既存システムやファイルに接続できるか確認しよう。場合によっては複数のデータソースに接続して、集計した結果を出力したいと言うケースもあるだろう。接続自体に開発コストが発生するツールもあるため、システム拡張の可能性がある場合は、あらかじめ確認しておきたい。
ポイント5. 何で(何の装置で)
閲覧するデバイスは何か?
パソコン、スマートフォン、タブレットと、業務で使うデバイスも多様化している。帳票・レポートを何で見るのかも、重要なポイントだ。
- スマートフォンとタブレット(Windows以外)の場合
ブラウザでの表示がメインになるため、HTMLかPDF等を出力できる必要がある - パソコンで表示する場合
ブラウザのほかにクライアントアプリケーションや、エクセルファイルが候補に挙がる
また、単に帳票を出力するだけではなく検索条件やフィルタ機能があれば、なお良いかもしれない。
- 対象月をプルダウンで絞り込んで帳票を出力する
- フィルタ機能を使って特定の製品情報に絞り込む
などができれば、これまで以上にデータの参照が楽になるはずだ。
4. 小規模企業から導入できる帳票ツール「CROWNIX」
これまで導入ポイントを紹介してきたが、すべての要件を満たす電子帳票システムをご紹介しよう。低コストで運用できるサーバーライセンスでありサブスクリプション(年間利用額 ¥175,000 〜)で提供されているため、小規模な企業でも手軽に導入することができる。
運用をサポートするスケジューリング機能と閲覧権限
スケジューリング機能で、定期的にサーバー上の指定したフォルダにレポートを出力したり、指定したアドレスにメール配信することができる。さらに、ユーザーごとに閲覧権限をつけてWebで共有することができ、印刷・ダウンロードには制限を設けることもできるため安心だ。
スケジューリングで自動作成
定期的なレポーティングはスケジューリング機能を活用すれば自動化できる。
閲覧権限をつけて共有
ユーザーごとに権限をつけて共有することもできる。印刷・ダウンロードに制限を設けることも可能。
自由自在にレイアウトが作れる
標準的な帳票形式のレポートは勿論、複写伝票のような単票形式のレポートから、画像やグラフを用いた報告書まで、様々なレポートが作成できる。宛名ラベルや商品ラベルなどのラベル形式にも対応しており、ドットプリンタで印刷する連帳の設計も可能だ。
複数のデータソースに接続できる
CROWNIXは、JDBCドライバが提供されているRDBMSであれば直接接続しデータを取得することができる。これにより常に最新データでレポートを生成することが可能になる。もちろん、CSVファイルやXMLファイルからデータを読込むこともできる。スタンドアローン運用の場合はローカルのODBCを経由してデータベースに接続する。
「動く帳票・レポート」が作れる
単にレポートを表示するだけでなく、ユーザが期間や部門などを絞り込んでレポートを表示したり、集計データからワンクリックで明細データを表示したり、関連する他のレポートやWebページへリンクするなど、動きのある一つ上のレポーティングを実現できる。
階層無制限のドリルダウン、ドリルスルー、ハイパーリンクなど、欲しい情報に直感的にたどり着くための機能が多数搭載されている。
よくあるご質問
Q.クラウド利用はできますか?
サーバー製品ではないためできませんが、exeファイルは無制限に配布できます。
Q.どんなグラフが出せますか?
棒・折れ線・円・ドーナツ・ピラミッド・レーダーチャート・ローソク・スピードメーター等に対応しています。詳しくは「デザインの柔軟性」をご覧ください。
Q.文字やセルの色は変更できますか?
はい、できます。エクセルの条件付き書式設定のように、マイナス値を赤字にするなどの加工ができます。
Q.Macでも使えますか?
テンプレートの作成やレポートの作成はできませんが、作成済みのレポートをウェブで共有することは可能です。
Q.DBに直接接続することはできますか?
はい、JDBCドライバが提供されているRDBMSであれば直接接続しデータを取得することができます。詳しくは「データを取得する」をご覧ください。
業種を問わず幅広い業務で活用いただいています。
帳票作成ツール・BIツールの良さを兼ね備えた CROWNIXは、グローバルで3,500社、国内で280社のユーザーにご利用いただいています。