システム開発の現場で欠かせない「帳票出力」。
請求書や契約書、レポートなど日常的に扱うものの、設計や実装に思いのほか工数がかかり、メンテナンスも大きな負担となることがあります。
そんな中で注目を集めているのが「帳票ツール」です。本記事では、その役割や導入のメリットについて解説します。
目次
1.帳票ツールとは?
帳票ツールとは、業務で使用する伝票、レポート、証明書、請求書、注文書などの帳票を、システム上で作成・出力するためのソフトウェアです。基幹システムや業務システムのデータを活用し、定型的な帳票を効率的に生成・管理できることから、多くの企業で導入が進んでいます。
2.帳票ツール導入のメリット
2-1.パッケージ製品では出力できない帳票レイアウトを出す
ERPや業務システムなどのパッケージ製品では、帳票のレイアウトに制限があり、現場の要望に柔軟に対応できないことがあります。パッケージ製品は社内業務を円滑に行うためのソフトであり、帳票をカスタマイズすることに特化していません。そのため、カスタマイズには多くの費用がかかってしまいます。そこで、帳票ツールを利用して機能の外出しを行うことでカスタマイズ開発にかかる費用を抑えることができます。
また、企業独自のデザインで作成される注文書や納品書などの「指定帳票」や、部門ごとの指示書など「社内・部門独自の帳票」にも対応しやすく、現場の実務始点での帳票作成が実現できます。
これにより、手作業で作成していた帳票をシステム化することで人的コストを削減でき、実務の効率化につながります。
2-2.帳票の基盤システムとして多様な出力機能を提供する
帳票ツールは、単なる帳票作成だけでなく、出力・配信までをカバーする運用システムとして活用できます。具体的には以下のような出力方式・出力形態に対応しています。
- 出力方式
- 大量印刷対応:数千〜数万件の帳票を高速に処理
- 分散印刷:拠点ごとに必要な帳票を分けて印刷
- スプール再印刷:印刷失敗時にも再出力可能
- バッチ印刷:夜間などにまとめて自動印刷
- 個別印刷出力:特定の帳票だけを出力可能
- 出力形態
- 紙出力(印刷):プリンタで直接印刷
- PDF出力:保存や配信に便利な電子ファイル
- Excel出力:加工・再利用がしやすい形式
- ブラウザからのプレビュー:紙の印刷(印刷前の確認やPDF表示)
2-3.オンライン帳票
帳票ツールはオンライン環境でも効果を発揮します。次のようなシステム連携や機能により、業務のデジタル化が進みます。
- オープン系・Web系システムとの連携:スクラッチ開発された業務アプリケーションから直接帳票を出力可能。
- 情報系サブシステムとしての利用:帳票管理・閲覧に特化したWebポータル「CROWNIX Report Center」のような製品を活用すれば、ユーザーは自分が閲覧権限を持つ帳票のみをブラウザ上で簡単に取得可能です。
- スケジューリング機能:定期的な帳票(週次・月次など)を自動で生成・配信することができ、担当者の作業を大幅に削減します。
3.帳票ツールの選定ポイント
帳票ツールを選ぶ際は、次のような観点から自社の要件に適した製品を選定することが重要です。
データ連携方法
- CSV連携:シンプルなファイルベース連携。導入しやすく既存システムを大きく変更せずに利用可能。
- API連携:リアルタイム出力や柔軟な制御が可能。Webアプリケーションと親和性が高い。
- DB連携:データベースから直接データを取得し帳票化。大規模システムでの導入実績が多い。
現在の帳票の再現性
- デザインの作成方法
- テキストボックスや表挿入方式:現場で馴染みのあるPPTのような帳票設計
- ローコードでの開発:プログラミング知識がなくてもGUIで帳票設計が可能
- 表現力の多さ
- 画像やバーコードの挿入
- グラフやリスト表示の活用
- フォント、背景色、枠線の設定
- オンライン帳票出力時に、帳票のリンクやデータの絞り込みが可能
- 表示制御のしやすさ
- 改ページ制御、繰り返し明細(サブテーブル)への対応
- 鏡文字、明細行ごとのレイアウト切替
出力形式
- 紙出力(印刷)
- PDF出力
- Excel出力
- ブラウザからのプレビュー
出力方法
- 大量印刷対応
- 分散印刷
- スプール再印刷
- バッチ印刷
- 個別印刷出力
サポート体制
- 帳票開発支援:自社で帳票設計を行う際の支援、または帳票開発を代行するサービスがあるか
- 製品サポート:操作方法やトラブル対応に迅速に応じてもらえる体制が整っているか
帳票ツールCROWNIXの特長
帳票ツール「CROWNIX」は、数千社以上の導入実績を持ち、帳票設計から出力・閲覧までを一元的にカバーする統合帳票ソリューションです。
- 柔軟なレイアウト設計:Office製品のようなUIで非エンジニアでも帳票設計可能
- 多様な出力方式に対応:印刷(A3、A4)・PDF・Excel・Webプレビューなどニーズに応じて選択可能
- システム連携が容易:ファイル接続、API連携、Webサービス連携も柔軟に対応
- オンライン帳票にも対応:「CROWNIX Report Center」による帳票ポータルで利用者に応じた閲覧環境を提供
- スケジューリング機能:定期帳票の自動生成・自動配信により業務負担を軽減
- サポート体制:導入支援、専任スタッフによる対応
帳票業務の効率化を目指す企業にとって、CROWNIXは高い柔軟性と拡張性を兼ね備えた選択肢といえます。
まとめ
帳票ツールは、単なる帳票出力の効率化にとどまらず、業務全体のDXを推進するための重要な基盤です。特に、多様な出力方式やシステム連携、オンライン対応に強みを持つ製品であれば、導入による業務改善効果は非常に高くなります。
「既存の帳票管理に課題がある」「新たな帳票システムを検討している」という方は、ぜひ一度、CROWNIXの機能をご覧ください。